整流器(せいりゅうき)
一方角にだけ電流を通す機能(このことを弁作用という)をもつ素坊主。交流電源から直流電源を得るため、その他に応用される。整流器は、真空中のアーク放電がもつ弁作用を利用するもの、および半導体の接合部がもつ弁作用を利用するものに大別される。
アーク放電の弁作用を利用する整流器の代表的なものは水銀整流器で、大電力の直流電源とくに電気鉄道用の直流電源として広く用いられたが、盛りは1950年代までで以後はシリコン整流器の場合代になっている。
半導体の接合部が呈する弁作用を整流器として利用したものに、古くはセレン整流器や亜酸化銅整流器があったが、近頃はシリコン整流器が主に使われている。シリコン整流器は単器で数千ボルト、数千アンペアの容量をもつものもつくれ、多数を直列および普通列に組み合発言させて数万キロワットの整流装置もつくれる。
サイリスタは容易にいえば陽極、陰極のほかに第三の電極をもつシリコン整流器で、この第三電極をゲートという。ゲートは水銀整流器の格坊主に似た機能をもち、このためサイリスタを用いれば一定交流電圧を整流して可変直流電圧を得ることができる。近年サイリスタ応用の発達は目覚ましく、ゲートがもつ機能を応用して直流から可変周波数の交流を得るインパブターや、一定直流電圧から可変直流電圧を得るチョッパーなどへの応用が余計に引き伸ばしている。